賃貸の壁に画びょうはOK?テレビを壁掛けしたら退去費用はかかる?
賃貸のお部屋に住んでいると、
「カレンダーを飾りたいけど、画びょう刺していいの?」
「ポスターを貼ったら退去費用がかかる?」
「テレビを壁掛けにしたいけど、穴を開けても大丈夫?」
こんな疑問が出てきます。
特に最近は、テレビを壁掛けにして部屋をすっきり見せたい方も多いですよね。
結論からいうと、
小さな画びょう・ピンの穴と、テレビを壁掛けするためのネジ・ビス穴は、同じようには考えません。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、下地ボードの張替えが不要な程度の画びょう・ピンの穴は通常損耗の例とされる一方、重量物を掛けるためのくぎ・ネジ穴で下地ボードの張替えが必要な程度のものは、借主側の負担となる例に挙げられています。
だから、
「賃貸だから壁には何もできない」でもなければ、「小さい穴なら何でも大丈夫」でもありません。
今回は賃貸の壁について分かりやすく解説します。
画びょうは基本的に大丈夫なの?
一般的な考え方では、下地ボードの張替えが必要にならない程度の画びょうやピンの小さな穴は、通常の生活で生じる損耗として扱われる例に挙げられています。
国土交通省のガイドラインでも、ポスターやカレンダーなどを掲示することは通常の生活の範囲であり、そのための画びょう・ピンの穴は通常損耗と考えられるとされています。
つまり、
「画びょうを1本刺したらクロス全面張替え代を絶対に請求される」
というものではありません。
ただし、ここには大事な注意点があります。
「画びょうなら何個でもOK」ではありません
画びょうなら無制限に穴を開けていいという意味ではありません。
同じ場所に何度も刺す。
大量に穴を開ける。
大きなピンを使う。
穴を広げてしまう。
通常の使い方を超えるような状態になれば話は変わります。
また、実際の退去時の扱いは契約内容や損傷の程度などによっても変わります。
入居する際には、賃貸借契約書や特約も確認してください。
テレビの壁掛けは話が変わる
問題になりやすいのはこちらです。
壁掛けテレビは重量があります。
そのため、小さな画びょうでは固定できません。
一般的には壁掛け金具を設置するため、
ネジ。
ビス。
アンカー。
などを使用することになります。
すると、壁紙だけではなく、その奥にある石膏ボードなどにも穴が開く可能性があります。
国土交通省のガイドラインでは、重量物を掛けるために開けたくぎ穴・ネジ穴で、下地ボードの張替えが必要な程度のものは借主側の負担となる例に挙げられています。
つまり、
テレビの壁掛けは、画びょうと同じ感覚で考えないほうがいいです。
「テレビだからOK」ではありません
ここは勘違いしやすいところです。
国土交通省のガイドラインでは、テレビや冷蔵庫の後ろにできる電気ヤケについては、通常の使用によるものとして貸主負担の例に挙げられています。
ただし、
テレビを置いたことでできた壁の黒ずみと、壁掛け金具を取り付けるために開けたネジ穴は別の話です。
テレビという同じ家電でも、
置いて使用する。
壁に金具を固定する。
では壁への影響が違います。
壁掛けテレビにしたいなら、勝手に穴を開けない
賃貸で壁掛けテレビを考えているなら、
先に管理会社や貸主へ確認することをおすすめします。
「壁掛けテレビを設置したいのですが、壁にビスを打っても大丈夫ですか?」
これだけです。
許可される場合もあれば、禁止されている場合もあります。
物件によって契約条件が違うので、
ネットで「賃貸でも壁掛けテレビOK」と書いてあったから大丈夫
とは考えないほうが安全です。
「退去するとき穴を埋めれば大丈夫」は危ない
これもよくあります。
「どうせ退去するときにパテで穴を埋めれば分からないでしょ?」
という考え方です。
おすすめしません。
穴の大きさによってはクロスだけではなく下地まで補修が必要になる可能性があります。
自分で補修して、逆に目立ってしまうこともあります。
最初から許可を取る。
穴を開けない方法を選ぶ。
このほうが安心です。
穴を開けずにテレビを壁掛け風にする方法もある
「どうしてもテレビを浮かせたい」
という方は、壁そのものに金具を固定しない方法もあります。
たとえば、
壁寄せテレビスタンド。
自立式テレビスタンド。
などです。
これなら壁に大きなネジ穴を開けず、壁掛けテレビに近い見た目にできます。
賃貸なら、
「壁に付ける」のではなく「壁掛け風に見せる」
という考え方もおすすめです。
ポスターをテープで貼るのは?
「穴がダメならテープのほうが安心」
と思いますよね。
これも注意が必要です。
強力な両面テープ。
粘着フック。
粘着力の強いシール。
こういったものは、剥がすときにクロスまで一緒に剥がしてしまうことがあります。
穴を開けていなくても、
壁紙そのものを傷めれば補修が必要になる可能性があります。
そのため、
「穴を開けない=絶対に退去費用がかからない」
ではありません。
壁に貼ったポスターの跡は?
普通にポスターや絵を飾っていて、日照などによって周囲との色の差ができた場合についても、国土交通省のガイドラインでは通常の生活による損耗の例として扱われています。
ただし、
粘着剤が残った。
クロスを剥がした。
壁紙そのものを傷つけた。
となれば別です。
「何を飾ったか」より、「壁をどの程度傷めたか」を考えると分かりやすいです。
エアコンのビス穴はどうなの?
ここが面白いところです。
国土交通省のガイドラインでは、借主が所有するエアコンの設置による壁のビス穴・跡については、通常損耗として貸主負担の例に挙げられています。
エアコンは一般的な生活をするうえで必要性が高い設備と考えられているためです。
だから、
「ネジ穴なら全部借主負担」でもありません。
何のための穴なのか。
どの程度の穴なのか。
通常の生活で必要なものなのか。
こうした違いがあります。
退去費用はいくらになる?
これは、
「テレビを壁掛けしたら○万円です」
とは言えません。
穴の大きさ。
穴の数。
下地の状態。
クロスの状態。
補修範囲。
契約内容。
入居期間。
などによって変わるからです。
国土交通省のガイドラインでも、原状回復は「新品の状態に戻す」という考え方ではなく、通常損耗・経年変化と、借主の故意・過失などによる損耗を分けて考えるのが基本です。
「6年住めばクロス代は全部0円」も少し違います
ネットで、
「クロスは6年住めば価値がなくなるから何をしても大丈夫」
という話を見ることがあります。
これも、そのまま受け取らないほうがいいです。
国土交通省のガイドラインでは、壁クロスについて経過年数を考慮する考え方があります。
ただし、だからといって故意・過失で何をしても負担がなくなるという意味ではありません。
さらに下地ボードまで傷めていれば、クロスだけの話でもありません。
「長く住んだから穴を開けても大丈夫」
とは考えないほうが安全です。
退去費用で揉めたくないなら入居前から考える
退去するときになって、
「これは払うんですか?」
「最初からありました」
となるより、
入居時から気をつけたほうが楽です。
入居したら壁や床の状態を写真に残す。
大きな穴を開ける前に確認する。
DIYをする前に契約書を見る。
分からなければ管理会社へ聞く。
これだけでもトラブルを防ぎやすくなります。
賃貸だから何も飾れないわけではありません
ここまで読むと、
「賃貸って何もできないじゃん」
と思うかもしれません。
そんなことはありません。
写真。
カレンダー。
ポスター。
時計。
絵。
自分の好きなものを飾って生活を楽しむこともできます。
国土交通省のガイドラインでも、下地ボードの張替えが不要な程度の画びょう・ピンの穴は通常損耗の例として示されています。
大切なのは、
小さな画びょうの穴と、下地まで傷める大きなネジ穴を同じに考えないことです。
結論|画びょうと壁掛けテレビは分けて考える
まとめると、
画びょう・小さなピン
→ 下地ボードの張替えが不要な程度なら、国土交通省のガイドラインでは通常損耗の例。
テレビ壁掛け用のネジ・ビス
→ 重量物を掛けるための穴で、下地ボードの張替えが必要になる程度なら借主負担となる例。
強力な両面テープ
→ 穴がなくてもクロスを傷めれば補修が必要になる可能性あり。
エアコン設置のビス穴
→ 一般的な設置によるものは通常損耗の例。
そして一番大切なのは、
実際の契約内容を確認すること。
特に壁掛けテレビやDIYなど、壁に大きな穴を開ける場合は、先に管理会社や貸主へ確認するのが安心です。
せっかく気に入って借りた部屋です。
何もせずに我慢して暮らす必要はありません。
ただ、
「これくらいなら大丈夫だろう」で大きな穴を開けない。
少し迷ったら、穴を開ける前に確認してください。
退去するときに心配するより、入居中から気持ちよく生活できます。
Nタウン不動産では、お部屋を決めることだけではなく、入居後に気になることも含めてお話ししています。
「これって賃貸でやっていいの?」
そんな小さな疑問も、お部屋探しのときに遠慮なく聞いてください。
FAQ
Q1. 賃貸の壁に画びょうを刺しても大丈夫?
国土交通省のガイドラインでは、下地ボードの張替えが不要な程度の画びょう・ピンの穴は通常損耗の例とされています。ただし契約内容や穴の程度も確認してください。
Q2. テレビを壁掛けにすると退去費用がかかる?
重量物を固定するためのネジ・ビス穴で、下地ボードの張替えが必要になる程度の場合は、借主負担となる可能性があります。
Q3. 壁掛けテレビは管理会社に確認したほうがいい?
おすすめします。壁へのビス打ちやDIYを禁止している契約も考えられるため、施工する前に確認したほうが安心です。
Q4. 両面テープなら壁を傷つけても大丈夫?
穴がなくても、剥がす際にクロスを破損させれば補修が必要になる可能性があります。
Q5. 壁に穴を開けずテレビを壁掛けにする方法はある?
壁寄せタイプや自立式のテレビスタンドなど、壁に大きな穴を開けずに壁掛け風に設置する方法があります。
Q6. 退去時の原状回復は全部借主負担?
違います。国土交通省のガイドラインでは、通常損耗や経年変化は原則として貸主側、借主の故意・過失や通常の使用を超える損耗などは借主側という基本的な考え方が示されています。契約上の特約なども確認が必要です。
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